初めての歌舞伎

なんば駅に着いたら、14番出口から出て松竹座に詣でるのは習慣のようなものです。
ポスターを見て、今月は染五郎さんが花形歌舞伎を上演されていると知り、興味本位で(歌舞伎、松竹座チケット売り場、両方への興味)チケット売り場へ行きました。そこで、売り場の方と少しお話をしてたら、三等席なら安いし見てもいいかなという気分になってチケットを購入しました。

厚生年金会館での観劇終了15時55分、松竹座開演16時、3連休で賑わうミナミの街を猛ダッシュで駆け抜ける迷惑な私。なんとか15分遅れで席に着くことが出来ました。

この遅刻のせいで最初は理解しにくいところもあったのですが、事前にチラシのあらすじを読んでいたこともあり、意外と簡単に物語へ入ることができました。あとから知ったのですが、この作品はとてもわかりやすくて、初心者にも向いているモノだったみたいです。
これはラッキー。今まで敷居が高く感じていた歌舞伎の世界ですが、好奇心で覗いてみたら意外にもわかりやすく面白かったので、次もまた見たいって思えましたから。難しくてお手上げーと思っちゃったら縁遠くなっちゃいます。ファーストインパクトって大事ですよね。

  • 役者さんのこと。

メインどころの役者さんたちはとっても雰囲気があってうまい。さすが伝統芸能だなあと感じました。
染五郎さんは凛々しく、ときにかわいらしい。女形のみなさんは皆さん楚々としてたおやか。女性としての振る舞いを習うべく弟子入りしたいです。
私が特に気になったのは片岡愛之助さん。年は15、6の美少年、という役どころで、見事な若く線の細い美少年ぷりでした。だから、実年齢もお若いんだろうと帰宅後調べたところ、染五郎さんよりも年上ということにまず驚きました。
そして更に驚いたのは、新選組!土方歳三最後の一日の榎本武揚役をされていたこと。いやー、どこかで聞いた名前だと思ったんですよ。あの榎本がこの数馬(役名)だったのか。事前に気がついていればもっとそういう目でみたのになあ。残念。昨日出演されていたトップランナーも見ました。ファンになってしまいそうです。
対して、ちょい役で出られてる方の中には「あらら」と感じる方もいて、役者のクオリティが高い新感線を見た後だったので気になってしまいました。

  • 効果のこと。

これは歌舞伎では当然なのでしょうが、急いでバタバタしている効果で、床?をバチバチ叩いて効果音を出したり、全て生音なのが新鮮でした。劇中歌も全部生歌で贅沢だなあと感じました。
最後に火事のシーンで、ジャニコンで銀テープが出てくるように、短めのテープが発射されます。そういう演出もあるんだなあ。

  • 笑いのこと。

これが結構衝撃だったんですけど、今のネタがちょいちょい挟まれてるんですね。「ちょっと。ちょっとちょっと」とか。
最後、染五郎さんが腹を切ってそこへ主人の御朱印を入れて火事の火から守るというクライマックスシーン。腹を切ったところで着物の下に仕込んであった臓器の模型をひとつずつ取り出して、「これは肝臓〜 これは腎臓〜 これは大腸〜 これがほんとの勧進帳〜」とされて、こんなところでそんこと言っちゃうのか!と驚きました。
2幕が始まるところで、4人の方が登場されて「歌舞伎体操をしましょう」と言って簡単な動きをしました。私はみんなで役者さんの真似をして手振りをするのかと思ったのですが、観客のみなさんは手拍子をされてました。ジャニコンのノリとは違うみたいです。

  • 掛け声のこと。

客席から屋号の声がかかるのが盛り上がって楽しいです。
最初はなんて声をかけてるのかがわからなかったのですが、「高麗屋!」が聞き取れて、染五郎さんが高麗屋なのは知っていたので、あー屋号を叫んでるのだとわかりました。

  • 「通し狂言 染模様恩愛御書 細川の男敵討」というお話のこと。

筋がとてもわかりやすいです。でも、衆道(男色)は私はやっぱり苦手です。次回は男女の恋のお話で歌舞伎を見てみたいです。


初めての歌舞伎。予習もせず、飛び込みで体験してしまったのですが、予想以上に楽しめました。趣味の幅が広がりそうです。今以上に広げてどうするんだという気もしますが。昨日のトップランナー愛之助さんがおっしゃっていたように、食わず嫌いをせず一度足を運ぶって大切だなと思いました。